2019.04.05
人生初バックカントリースノーボード
新しい事にチャレンジすることに遅すぎることは無い。
皆さんもバックカントリースキーやバックカントリースノーボードをご存じだろうか。
バックカントリーとはスキー場などから外れた整備されていない手付かずの自然が残っているエリア。つまりコース外の場所になるため、雪崩や遭難した場合には自己責任となり、事故や遭難などのリスクも高くなる。
近年では天然のパウダースノーを求めて、知識や装備が不十分のままバックカントリーへ入山して度々テレビやニュースでもその危険性が話題になっている。
バックカントリースキーやスノーボードは、見えない起伏、岩、木の根などに気づかず転倒してしまう場合もあったり、また、滑る速度がコントロールできなくなり立ち木に衝突する例もあって、今シーズンでも遭難や立木などに衝突する事故が多発している。
僕はサーフィンやボディーボードもやるけど、自然を相手にするスポーツには怪我や事故のリスクは必ず存在する。その為の備えとして、普段からストレッチや筋トレなどにも励んで、海や山に入る時には備えを十分に行うようにしている。また、サーフィン・スノーボード・ゴルフなど、海や山での怪我や事故又は遭難時の救助費用や捜索費用などに対すアウトドア保険にも加入。
(緊張で喉カラカラ。ハイク前なのにペットボトル1本飲みきる)
この日は栂池高原スキー場のコース外にあるバックカントリーに挑戦。ゴンドラで途中下車して、そこからボードはリュックに装着してスノーシューを履いてひたすら登っていきます。
十数人のツアーメンバーで、この中でバックカントリー初心者は私のみ。皆さん中級から上級者など経験値は様々ですが、やはり事故や雪崩に巻き込まれるなどのリスクを少しでも軽減するにはプロの山岳ガイドさんのサポートが必須。
BCキャラバンの代表であり山岳ガイド川田さんと、もう一人の山岳ガイドの方をテールガイドに付けて、ハイクアップや滑走中をダブルガイドでサポートしていただきました。
とにかくビーコンを胸に付けることが初めてでしたので、結構緊張。
ビーコンとは万が一雪崩に呑み込まれた場合の電波送受信機。入山する前には必ずビーコンチェッカーで一人一人が送信状態になっているかを確認。雪崩に巻き込まれた人を救助する時に、巻き込まれなかった他のメンバーがビーコンを受信に切り替えて捜索する時に使う道具。
(ビーコンの電源確認作業)
その他に雪崩で遭難者を掘り出すスコップと雪に刺す細い棒のゾンデ。ビーコンで埋没位置を特定したらゾンデを刺して人の感触があれば遭難者を確認できるのでピンポイントで掘ることができる。
リュックにはこのような救助セットと温度調整する為の上着、ビスケットやチョコなどの軽食やドリンク類などを装備。
(途中の休憩時。この時点で脚ガクガクで。。。)
とにかく皆さんに迷惑だけ掛けたくない気持ちで挑んでました。
素晴らしい手付かずの大自然を眺める余裕はありません。
私はバックカントリー初なので最後尾でハイクアップ。何時間もボードとリックを背負ってスノーシューで歩くことがこんなに疲れるものなんだと半泣き状態。
(普通の登山より足腰の負担が凄い・・・)
ファーストラックは何十年か振りの緊張度MAX。リードガイドがまずは滑ってくれて、雪の状態やジブリといって雪崩によってできた雪の堆積を確認。無線でOKが出たら一人一人滑っていく。
普段スキー場を楽しく気軽にルンルン状態で滑っているのとは次元が違
う。
(一番右がわたし。この時点で来たことを少し後悔してる・・・)
これは命がけか命知らずのスポーツ。
そしていよいよ僕の順番が回ってきた。例年のこの時期は極上のパウダー状態だったりする場合が多いようだが、この日のコンディションは結構最悪。
3月を過ぎているので全体的には水分が多めの雪で、べっとりした雪質の場所があったり、ふわふわ状態の場所だったりとスピードコントロールの技術や経験が必要な雪面。難しさを痛感しながらファーストトラックを滑走していると急に重い雪面になって思わず転倒。
非圧雪なので転倒してからも10分近くは雪が深くて立ち上がる事が出来ない。心の中で情けなさと悔しさと準備不足の自分自身に腹立たしい。何とかガイドさんのサポートで起き上がることが出来て無事に滑りきった。
(1本目の途中で転倒後の滑りは泣きそうな自分。。。)
もちろんバックカントリーはここで終わりではない。
2時間近く登って10分滑る。また1時間登って5分滑るなどを繰り返す。ガイドはその日の天候や雪のコンディションなど色々な経験値でアテンドしてくれる。
たった5分滑るために何時間も山を歩いて登る。それは一般的なスキー場のゲレンデでリフトやゴンドラですいすい運んでもらって滑るのとは訳が違う。大事な大事な1本になるんです。必死でしたが。。。
1本目が終わって2本目を滑る場所までのハイクの途中、休憩をしている時にガイドさんに右脚の内側靱帯を痛めてしまったことを告白。
ガイドさんは直ぐに脚の状態を確認して、滑って下山することは断念した方が良いと判断。ガイドさん達に僕のボードや荷物を持っていただいて、僕はテールガイドさんとマンツーマンでスノーシューで下山することになった。ガイドの川田さんに本当申し訳ないと伝える。
大自然の中で未圧雪の深い雪の斜面をスノーシューを履いて何時間も下山するのはそれはそれでかなりの体力を消耗します。もちろんツアーメンバーにも時間的なロスなど迷惑を掛けてしまっているし、人生初のバックカントリは散々な思い出となりました。
日も暮れる頃に全員無事に下山することが出来ましたが、改めて色々な経験と反省など今後に活かしていきたいと思います。
エスタサーフの小島さん始め、BCキャラバンのガイド川田さんとテールガイドの方。そしツアーメンバーの皆さんには感謝感謝です。
今回のバックカントリースノーボードは最悪の経験でしたが、誰でも初めから完璧な人はいない。経験をした事を糧にして、身体や技能を向上して再チャレンジしたいと思っています。
ネットや雑誌の情報で頭でっかちでは、何も経験を得たことにはならない。チャレンジしてみて初めて自分の足りないものや状態を知ることが出来る。だから、これからもチャレンジしていきたい。
その為には無謀なチャレンジでなく、その分野のプロやガイドさんのサポートを受けながらチャレンジすることをお勧めます。
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